スマホやパソコンで気軽にカジノゲームをプレイでき、勝てば勝利金も獲得できるオンラインカジノ。
しかしオンラインカジノで勝利金を得た場合、確定申告をしなければならないのか、疑問に思う方も多いでしょう。
そこで今回は、オンラインカジノで確定申告に関する注意点や、税金の具体的な計算方法などについて解説します。
オンラインカジノの確定申告について詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください!

オンラインカジノで勝ったら、確定申告しなきゃいけないのかな?
勝った金額次第では確定申告が必要だよ!


もくじ
【結論】オンラインカジノで一定額以上の勝利金を得ると確定申告が必要

先に結論を言うと、
オンラインカジノで一定額以上の勝利金を得ると確定申告が必要
です。
オンラインカジノで得られた収益は「一時所得」に分類され、課税対象となります。
※一時所得とは?
営利目的の継続的な事業・行為以外で得られた所得のこと。
ギャンブルや懸賞で得られる賞金などが、一時所得に該当する。
もしオンラインカジノで一定額以上稼いでいるにも関わらず、必要な確定申告を怠った場合、厳しいペナルティが課せられる可能性もあるのでご注意ください。
とはいえ、オンラインカジノで勝利金を獲得したら即税金が発生するという訳ではなく、ある一定の条件を満たした場合のみ課税対象となります。
オンラインカジノの税金の計算方法はやや複雑なので、これから詳しく説明していきますね。
オンラインカジノで確定申告が必要な条件:勝利金50万円以上

オンラインカジノで確定申告が必要となる条件は、以下のとおりです。
年間獲得勝利金の合計額が50万円以上
なぜ50万円なのかというと、一時所得額は下記のように計算されるからです。
一時所得額の計算方法
【一時所得額】=(【総収入】-【総支出】-【特別控除(最大50万円)】)÷2
※オンラインカジノの場合、【総収入】-【総支出】=【勝利金】
上記の「特別控除」とは、一時所得を計算する際に無条件に差し引ける金額を指します。
特別控除は最大50万円なので、勝利金が50万円未満であれば一時所得額は0円となり、確定申告は不要となるのです。
会社員は「勝利金額が90万円以上」の場合に確定申告が必要
会社員などの給与所得者の場合、【給与以外の所得金額が年間20万円未満なら確定申告が不要】と定められています。
つまり会社員の場合、オンラインカジノで確定申告が必要になる条件は、
年間獲得勝利金の合計額が90万円以上
となるのです。(20万円×2=40万円が、50万円にプラスされる)
オンラインカジノの税金の計算方法

ここでは、オンラインカジノで発生する税金の具体的な計算方法を解説します。
仮に、オンラインカジノの年間収支は下表のようになったと仮定します。
▼オンラインカジノの収支(例)
月 | ベット額 | 残高 | 収支(勝利金) |
---|---|---|---|
1月 | 15万円 | 20万円 | +5万円 |
2月 | 30万円 | 60万円 | +30万円 |
3月 | 20万円 | 5万円 | -15万円 |
4月 | 40万円 | 10万円 | -30万円 |
5月 | 5万円 | 0万円 | -5万円 |
6月 | 10万円 | 0万円 | -10万円 |
7月 | 35万円 | 50万円 | +15万円 |
8月 | 40万円 | 30万円 | -10万円 |
9月 | 10万円 | 15万円 | +5万円 |
10月 | 20万円 | 0万円 | -20万円 |
11月 | 15万円 | 5万円 | -10万円 |
12月 | 30万円 | 50万円 | +20万円 |
合計 | 270万円 | 245万円 | -25万円 |
上記のうち課税対象となるのは、収支がプラスだった月(1月・2月・7月・9月・12月)だけです。
これらの勝利金を合計すると、
式1
5万円+30万円+15万円+5万円+20万円=75万円
となります。
続いて、上記の勝利金から一時所得額を計算すると、
式2
【一時所得額】=(【総収入】-【総支出】-【特別控除(最大50万円)】)÷2
⇒【一時所得額】=(75万円-50万円)÷2
⇒【一時所得額】=12万5千円
となります。
最後に下表を参考に、一時所得額に税率をかけましょう。
▼一時所得額別の税率一覧
一時所得額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
195万円未満 | 5% | 0円 |
195万円以上330万円未満 | 10% | 97,500円 |
330万円以上695万円未満 | 20% | 427,500円 |
695万円以上900万円未満 | 23% | 636,000円 |
900万円以上1,800万円未満 | 33% | 1,536,000円 |
1,800万円以上4,000万円未満 | 40% | 2,796,000円 |
4,000万円以上 | 45% | 4,796,000円 |
今回のケースでは一時所得額は195万円未満なので、税率は5%ですね。
よって、支払わなければならない税額は、
式3
12万5千円×5%=6,250円
となります。
※補足情報1
一時所得額が195万円以上の場合は、さらに追加で控除が受けられます。
例えば一時所得額が300万円だった場合、ここから97,500円の控除が受けられるため、税額は
(300万円-97,500円)×10%=290,250円
となるのです。
※補足情報2
もしサラリーマンの場合、今回のケースだと勝利金が90万円未満なので課税対象になりません。
計算機でシミュレーションしてみよう!
「税金の計算ってややこしくて面倒くさそう...」
そんな方は、以下の計算機でシミュレーションしてみてください。
課税所得金額を算出する
- 総収入(賭け金を含む勝利した金額)
- 円
- 総支出(勝利したゲームのみの賭け金)(負けたゲームの賭け金は含まない)
- 円
- 特別控除額
-500,000円
÷2
- 課税所得金額
- 円
所得税を算出する
- 給与
- 円
- 課税所得金額
- 円
- 所得税
- 円
空欄に金額を埋めるだけで、あっという間に大まかな税額が計算できますよ!
ただし、計算機で得られる税額があくまで参考値であり、厳密な納税額とは異なる可能性があるのでご注意ください。
オンラインカジノの確定申告に関する注意点

オンラインカジノの確定申告に関して、以下の4点に注意しましょう。
注意!
- 税金が発生するタイミングは銀行口座に着金したとき
- 課税対象となるのは勝った場合のみ
- オンラインカジノはお金の流れを把握しやすい
- 必要な確定申告を怠るとペナルティを受ける
税金が発生するタイミングは銀行口座に着金したとき
オンラインカジノで税金が発生するタイミングは【勝利金が銀行口座に着金したとき】です。
逆に言うと、オンラインカジノや電子決済サービスのアカウント内で勝利金をとどめておけば、税金は発生しません。
オンラインカジノで勝利金を得たら即課税対象、という訳ではないのでご安心ください。
※補足情報
オンラインカジノを仮想通貨でプレイして出金した場合、仮想通貨を売買・交換・使用したタイミングで課税対象となります。
課税対象となるのは勝った場合のみ
オンラインカジノで課税対象となるのは【勝った場合のみ】です。
負けた分は所得に反映されず、経費として計上できません。
これだけだとわかりにくいと思うので、例を挙げて説明します。
例えば、オンラインカジノを実際にプレイして、以下のような収支だったと仮定しましょう。
月日 | ベット額 | 残高 | 収支(勝利金) |
---|---|---|---|
2月10日 | 50万円 | 150万円 | +100万円 |
5月23日 | 100万円 | 50万円 | -50万円 |
9月7日 | 80万円 | 120万円 | +40万円 |
12月10日 | 70万円 | 0万円 | -70万円 |
合計 | 300万円 | 320万円 | +20万円 |
このとき課税対象となるのは、収支がプラスだった日(2月10日・9月7日)の合計所得140万円のみです。負けた日の-120万円は経費として計上できません。
つまり、トータルで見ると20万円しか勝っていないのに、税金は140万円に対してかかるのです。
場合によってはトータルの収支がマイナスなのに、税金がかかるというケースもあるのでご注意ください。
オンラインカジノはお金の流れを把握しやすい
パチンコや競馬などのギャンブルでは、金銭のやり取りを現金で行えるため、勝利金を得ても記録が残りにくいという特徴があります。
一方オンラインカジノの場合、金銭のやり取りは銀行振込や仮想通貨など、基本的にすべてオンライン上で行われます。
つまり、オンラインカジノはお金の流れを把握しやすく、課税対象かどうかがすぐにバレてしまうのです。
ごまかそうとしてもほぼほぼバレるので、課税対象となった場合はおとなしく確定申告しましょう。
必要な確定申告を怠るとペナルティを受ける
既に述べたとおり、オンラインカジノはお金の流れが把握しやすいので、課税対象者はすぐにバレます。
もし必要な確定申告を怠った場合は、以下のようなペナルティを受ける可能性があります。
ペナルティ
- 無申告加算税:法定申告期限までに申告をしなかった場合、税額の15%が加算される。税務調査前に自発的に申告した場合は、5%に軽減されることも。
- 延滞税::納税義務者が支払い期限を過ぎてから納付した場合に課せられ、滞納日数に応じて計算される。期限の翌日から2ヶ月以内は年率7.3%、2ヶ月超は年率14.6%です。
- 刑事罰:正しく申告しなかった場合、脱税とみなされ刑事罰の対象となる可能性がある。税務当局による監査で脱税が明らかになれば、刑事告訴に至ることも。
課税対象となった場合は、おとなしく確定申告しましょう。もしバレたら、余計に損をしてしまいますよ。
オンラインカジノで税金を発生させない方法

オンラインカジノで税金を発生させたくない場合は、以下の3点を心がけましょう。
税金を発生させない方法
- 勝利金を一定額未満に抑える
- 出金額を一定額未満に抑える
- 海外の電子決済サービスを利用する
勝利金を一定額未満に抑える
すでに述べたとおり、オンラインカジノでは【勝利金の年間合計額が50万円以上】のとき、課税対象となってしまいます。(サラリーマンの場合は90万円以上)
よって、オンラインカジノで税金を発生させたくない方は、勝利金が50万円未満に収まるように調整しましょう。
出金額を一定額未満に抑える
仮にオンラインカジノで年間50万円以上の勝利金を獲得しても、すぐに税金が発生する訳ではありません。
その勝利金をオンラインカジノから出金して、自分の銀行口座に着金した時点ではじめて課税対象となります。
逆に言えばどれだけ勝利金が得られたとしても、出金額を50万円未満に抑えて、残りをオンラインカジノ内で留めておけば税金は発生しません。
海外の電子決済サービスを利用する
多くのオンラインカジノでは入出金手段として、エコペイズやベガウォレットなど海外の電子決済サービスに対応しています。
仮に年間50万円以上の勝利金を出金しても、海外の電子決済サービス内に留めておけば、税金は発生しません。
ただし、電子決済サービスから国内の銀行口座に出金した時点で課税対象となるのでご注意ください。
オンラインカジノの確定申告についてよくある質問

ここでは、オンラインカジノの確定申告についてよくある質問、およびその回答を紹介します。
オンラインカジノで稼いでいることが会社にバレない方法はある?
オンラインカジノで稼いでいることが会社にバレたくない方は、以下の3点を心がけましょう。
バレない方法
- 住民税を「普通徴収」で支払う
- オンラインカジノで稼いでいることを周囲に言いふらさない
- オンラインカジノを会社内でプレイしない
上記に注意すれば、基本的にはバレません。
※普通徴収とは?
住民税には「特別徴収」と「普通徴収」という2種類の納税方法があります。
- 特別徴収:会社が従業員の給与から住民税を天引きして、自治体に支払う方法
- 普通徴収:本人が直接、自治体へ住民税を支払う方法
仮にオンラインカジノで稼いでいても、普通徴収であれば自分で直接自治体に納税するため、基本的に会社にはバレません。
逆に特別徴収だと、住民税が本来よりも高くなってしまうため、会社にバレる可能性があります。
オンラインカジノの勝利金は出金しなくても税金がかかる?
オンラインカジノの勝利金に対する税金は、自分の銀行口座に着金した時点ではじめてかかります。
オンラインカジノで勝利金を獲得したとしても、出金しなければ当然税金もかかりません。
オンラインカジノで負けた金額は課税所得に含められる?
オンラインカジノで課税対象となるのは【勝利金が得られた場合のみ】です。
負けた分は課税所得に含まれず、経費として計上できません。
つまり、年間のトータル収支ではマイナスなのに、税金が発生するケースも起こりえます。
税金を発生させたくない場合は、勝利金額や出金額をうまく調整するようにしましょう。
オンラインカジノの確定申告に必要な書類は?
オンラインカジノで得た勝利金を確定申告する場合に、必要な書類は以下の3種類です。
確定申告の必要書類
- 支払調書:オンラインカジノでの勝利金(収益)と支出(ベット額など)を記録した書類。オンラインカジノの運営側が発行する。
- 支出に関する領収書:オンラインカジノに対して支払った金額を証明する書類。クレジットカードの明細や電子決済サービスの取引履歴などが含まれる。
- 源泉徴収票(給与所得者の場合):年間の収入および所得税額が記載された書類。
なお、オンラインカジノによっては支払調書を発行してくれないところもあります。
その場合は、自分で収支をつけて提出する必要があるのでご注意ください。