【完全版】カジノ法案(IR法案)とは?日本カジノの候補地や経済効果、注意点を徹底解説!
カジノ法案 最新ニュース
2016年12月15日にカジノ法案ことIR推進法(正式名称:特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律)が成立し、いよいよ日本でもカジノを含む統合型リゾートの開業が可能となりました。
昔から賭博が禁止されてきた日本にとって、カジノ法案の成立はカジノ解禁への歴史的な第一歩となっています。
まだまだ多くの懸念材料があるものの、法整備は着々と進み2020年代後半へ向けた開業が進んでいる状況。
今回この記事では、カジノ法案とは何か?日本カジノが誕生すると日本はどう変わっていくのか?などを詳しく解説していきます。
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もくじ
カジノ法案(IR推進法)とは
カジノ法案とは、カジノ施設を含む統合型リゾート(IR:Integrated Resort)を日本でも導入することを目的とした法律です。
日本では長らく、カジノを含んだギャンブルは禁止されてきており、これが解禁されるであろう第一歩となる法律がカジノ法案。
カジノ法案は日本初となるカジノ誕生が話題となっているため「カジノ法案」と呼ばれていますが、あくまでカジノを一部に含んだ統合型リゾートを作ることが目的です。
つまり”カジノを作ることだけが目的な法律ではない“ということを覚えておきましょう。
IRとは複合的施設を指す統合型リゾート
カジノ法案を語るうえで必ず使われる言葉が『IR(Integrated Resort)』です。
IRとは「カジノ・レストラン・ホテル・映画館・MICE」など、様々な施設が集まった複合的な施設のことを意味します。
「カジノだけ」「ホテルだけ」などとは違って、これらの業態が複合的に集まっている施設の総称です。
ラスベガス、マカオ、シンガポールなどでもIRは誕生してきており、国際的な観光拠点のひとつとなることがすでに証明されています。
カジノ法案の目的は財政改善や地域経済復興
カジノ法案の成すべき目的は、経済成長が停滞気味である日本の財政改善や地域経済の復興を目的としています。
IRを新しく作ることで国内外問わない観光客を呼び込んで、経済を回していけば財政難を改善することができます。
また、大規模施設であるため多くの新規雇用が生まれることも期待されている法律です。
カジノ法案=IR推進法&IR整備法
カジノ法案は2つの法律をまとめたようなもの、と認識しておくと良いでしょう。
その2つが『IR推進法』と『IR整備法』です。
IR推進法は2016年12月15日に成立(法令番号:平成28年12月26日法律第115号)、IR整備法は2018年7月20日に成立(法令番号:平成30年法律第80号)しています。
IR推進法=統合型リゾートの設立を推進する法律
IR推進法は正式名称『特定複合観光施設の整備の推進に関する法律』といい、平成28年12月26日法律第115号として成立。
IR設立を推進していくために法制上の措置を講じなければならない、という法律です。
カジノ法案の始まりはこのIR推進法であり、方向性や基本事項を決めるための法律という位置づけとなっています。
IR整備法=IR設立のために必要な規則や規制を決める法律
IR整備法は正式名称『特定複合観光施設区域整備法』といい、平成30年7月27日法律第80号として成立。
IR推進をしていくために必要な規則、規制などを決めて具体的に進めていくための法律です。
基本方針から整備計画の作成、IR事業免許、入場規制などについても決めることを目的としています。
カジノ法案(IR推進法)のメリット
大規模な経済波及効果が期待できる
IRができれば多くの観光客を呼び込むことができるため、カジノ法案の目的にもなっている財政難の改善、地域経済の復興が可能です。
誘致する自治体によっても経済効果は様々なですが、1次波及効果から2次波及効果など、一時的ではない経済効果が期待できます。
数千億円から数兆円規模の経済効果になることも期待されているため、とても効果のある経済成長に繋がるとされています。
新たな雇用創出が可能になる
IRは複合施設のため、その施設におけるスタッフを多く見込め、新たな雇用が次々と生まれます。
観光客が一気に増えることもあり、周辺施設のスタッフ雇用も増えることに繋がってくるでしょう。
さらに多くの観光客が移動できるようなインフラ整備も必要となり、インフラにおいても雇用創出が期待できます。
カジノ法案のデメリット
ギャンブル依存症が増加する恐れがある
出典:国立病院機構久里浜医療センター 樋口進院長調べ
日本人は世界各国と比べてもギャンブル依存症だと疑われている人の割合がとても多く、2倍~5倍の患者数といわれています。
日本国内には至るところにパチンコやスロットなど、法律上は遊戯であるもののギャンブルの一種とされる店舗がとても多いですよね。
こうした環境も相まって、ギャンブル依存症患者はとても多く、またカジノが誕生すればさらに増えるのではないかといわれています。
▼ギャンブル依存症対策について
>>カジノ法案で問題視されるギャンブル依存症と策定された対策について詳しく解説!
治安悪化や犯罪の増加懸念がある
カジノが誕生すれば借金苦になる人やギャンブル依存症患者が増えると想定され、治安悪化が懸念されています。
世界的に見てもカジノはマネーロンダリング(資金洗浄)に使われやすいこともあり、こうした犯罪の懸念もあります。
周辺地域への配慮や、貸金業・風俗・酒場などの店舗を物理的に離すような施策が必要となってきます。
▼カジノ法案と治安悪化について
>>カジノ法案(IR法案)によるIR(カジノ)誘致で治安は悪化する?
▼カジノ法案のメリット・デメリット
>>カジノ法案(IR法案)のメリット・デメリット、発端となったIR汚職事件、海外の成功・失敗事例を詳しく解説!
日本カジノの候補地一覧
カジノ法案が成立したことで日本国内の様々な自治体がIR誘致を表明しており、続々と候補地が出揃ってきています。
すでに誘致を表明している自治体、まだ誘致表明をしていない自治体、すでに誘致辞退・断念をした自治体をあわせると10都道府県。
現在、日本カジノの最有力候補地とされている2ヶ所について詳しくご紹介します。
候補地は大阪と長崎で、この2府県だけが国の認定申請へと進んでいます。
▼日本カジノの候補地一覧
>>日本カジノの候補地一覧、IR誘致に向けた各自治体の魅力、問題点、カジノ法案に絡んだ動きを解説!
大阪府大阪市『夢洲』
候補地 | 夢洲 |
魅力 | 関西の拠点となる土地柄 |
問題点 | 一部の反対意見 |
経済効果 | 6,900億円~1兆4,600億円 |
IR事業者 | MGMリゾーツ・インターナショナル |
誘致状況 | 誘致賛成 |
大阪府大阪市の夢洲は関西の拠点となる土地柄と、関西国際空港からのアクセスが抜群という立地。
IR事業者は『MGMリゾーツ・インターナショナル』とすでに話が進んでおり、誘致決定となればサクサクと事業が進んでいくことでしょう。
想定される経済効果は横浜と同じく6,900億円~1兆4,600億円という数兆円規模の効果が試算されています。
東京に次いで多くの人がアクセスする大阪は、関西圏においてトップクラスのIR誘致に適した場所と言えるでしょう。
▼カジノ法案と大阪の動きについて
>>大阪市夢洲のIR(カジノ)誘致、IR(統合型リゾート)の検討、経済効果、カジノ法案と関連する動きについて解説!
長崎県佐世保市『ハウステンボス』
候補地 | ハウステンボス |
魅力 | 3時間以内に到達できる人口が6,000万人超 |
問題点 | 大規模なインフラ整備が必要 |
経済効果 | 2,544億円 |
IR事業者 | オシドリ、カジノオーストラリア etc |
誘致状況 | 誘致賛成 |
長崎県佐世保市のハウステンボスは、すでに国内外問わない人気が高い観光地のひとつとなっています。
IR事業者は『オシドリ・カジノオーストラリア・カレント・ピクセルカンパニーズ』などの4事業者が参入を表明。
想定される経済効果が横浜や大阪と比べると小さいものの、九州最大の都市となるでしょう。
九州における一大観光都市となること間違いなしで、その波及効果は他と比べてもより大きなものになると想定されます。
▼カジノ法案と長崎の動きについて
>>長崎県佐世保市のIR(カジノ)誘致、コンセプト、経済効果、カジノ法案成立後の動きなどを詳しく解説!
日本カジノの想定される経済効果
候補地 | 経済効果 |
北海道 | 1,263億~2,559億 |
東京都 | 数千億円~数兆円 |
千葉県 | 1,568億円~4,793億円 |
神奈川県 | 7,700億円~1兆6,500億円 |
静岡県 | 6,171億円 |
愛知県 | 未公表 |
大阪府 | 6,900億円~1兆4,600億円 |
和歌山県 | 3,000億円 |
長崎県 | 2,544億円 |
沖縄県 | 3,016億円~5,197億円 |
日本にカジノが誕生した場合、各自治体の想定される経済効果は上記のようになっています。
すでに大規模な経済都市となっている「東京・神奈川・大阪」などは最大で数兆円規模の経済効果が見込めます。
少なくとも数千億円規模の経済効果が期待できることから、カジノ法案成立へ進んだのだといえます。
▼カジノ誕生による経済効果について
>>カジノ法案(IR法案)による日本カジノの建設、運営にかかわる経済効果を解説!
日本カジノの入場料と入場制限
日本初のカジノということで懸念材料となっているギャンブル依存症対策や、治安悪化、犯罪の増加に対しては様々な規制を設けています。
カジノ法案により決まった入場規制は上記の通り。入場料はシンガポールをモデルとして、国内在住社は6,000円が必要となっています。
必ずマイナンバーカードを提示する必要があり、入場回数の制限などが行われる予定です。
徹底的な入場制限や規制で依存症や犯罪を防ぐ
カジノ誕生への反対意見としてとても多いのは、”ギャンブル依存症患者の増加や犯罪の多発”です。
これらは海外のカジノを見ていくとわかるように、実際にギャンブル依存症が増えたり、周辺地域の治安が悪化してしまったケースもあります。
世界的に見ても非常に治安が良いとされる日本において、これらの対策は最重要項目である、と言えますよね。
▼カジノ法案で決まった入場料&入場制限
>>カジノ法案(IR法案)で採決されたカジノ入場料と入場制限を日本と海外で比較!
日本カジノ誕生へのスケジュール
日本カジノの誕生は2020年代半ばから後半にかけて、といわれていますがスケジュール遅延も当然あるでしょう。
すでに2016年のIR推進法成立、2018年のIR整備法成立と進み、候補地の選定は2023年ごろと言われています。
新型コロナウイルス感染症の影響で遅れており、2027年から2029年頃にIR開業となる予定です。
日本カジノ誕生による注意点
カジノで稼いだお金には税金がかかる
日本カジノが誕生した場合、カジノで稼いだ勝利金には税金が発生するのか、気になりますよね。
実は国内海外問わず、ランドカジノやオンラインカジノで稼いだお金に対しては“一時所得”として年間50万円を超える勝利金は税金が発生します。
これは海外のランドカジノでも同様で、一定の金額を超えると税金を払う必要がでてきますので注意しましょう。
▼日本カジノの税金について
>>カジノ法案成立で日本カジノ誕生へ!儲けたお金に税金はかかる?かからない?
韓国カジノの失敗例もある
カジノ法案に多くの反対意見が出ていた理由のひとつとしては、隣国である韓国カジノが失敗した実例もあるためです。
韓国では2000年以前まで自国民の入場ができないカジノは運営されていたものの、2000年に江原ランド(カンウォンランド)という自国民の入場が可能なカジノが誕生しました。
結果、借金苦に自殺する人が増えたり、周辺地域の治安が悪化して世界的に見ても失敗例とされています。
こうした失敗例も間近で見ていることから、日本カジノが誕生するようなときには徹底的な対策が必要です。
▼韓国カジノの失敗例
>>韓国カジノの江原ランド(カンウォンランド)は失敗!日本のカジノは大丈夫?
カジノ法案への反対意見がとても多い
カジノ法案によるメリットは当然あるものの、デメリットも少なからずあるため反対意見が多いまま成立となりました。
特にギャンブル依存症の増加は反対意見にとても多く、早急で確実な依存症対策の策定が重要とされています。
ギャンブル依存症はカジノだけでなくパチスロに対しても対策されるべき内容であるため、法改正を含めた対策が重要となってくるでしょう。
▼カジノ法案の意見まとめ
>>カジノ法案(IR法案)に賛成?反対?日本カジノに関する意見まとめ。
まとめ
カジノ法案はIR誘致で成功したシンガポールをモデルとして、日本の生活や文化に合うような厳しい内容にされています。
日本初カジノの誕生には期待が寄せられますが、あくまで目的は財政難の改善を目的としている法律。
現在は設置ヶ所の上限が3ヶ所までとされていますが、それでも大都市にIR誘致をすれば数兆円の経済効果は期待されています。
借金大国でもある日本の経済成長を促す起爆剤として期待されている日本カジノ、カジノ法案に関する今後の動きに注目しましょう。
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